大人になるほど見落とす、国語の重要性②

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皆様は、「読む」という行為について深く考えたことはありますか?また、お子様に「読むってどういうことなの?」と聞かれた時、どのように答えますか?あまり考えたことのないテーマかと思いますが、考えてみると難しいテーマだと気付いていただけるのではないでしょうか。

本記事では、まず「読む」とはどういうことかを説明し、続いて問題形式で各項目についてご紹介していきたいと思います。

「読む」とはどういうことか?

簡潔に、一言でお伝えします。「読む」とは、「その文を目で追い、文字列が織りなす意味を理解すること」です。理解するという言い方は少し抽象的過ぎると思うので、私が考える「理解できている状態」をご紹介します。それが、

  1. その文のイメージが頭に浮かぶ
  2. その文の内容を、自分の言葉で体化できる。
  3. その文の内容を、自分の言葉で抽象化できる。

という状態です。これらについて、問題に挑戦するという形で、1つずつ解説していきます。全部で3問出題しますので、気軽に挑戦してみてください!

1. その文のイメージが頭に浮かぶ。

早速ですが、次の問題に挑戦してみてください。

たかしくんはお父さんの車の後部座席に座っていました。車が出発してしばらくした時に、たかしくんは前の座席におでこをぶつけてしまいました。原因はお父さんがあることをしたからです。お父さんがしたことは以下のうちどちらだと考えられますか?

  1. 急発進したから。
  2. 急ブレーキを踏んだから。

この問題を解く際、実際に自分がA君と同じ状況だったとして、急発進した場合だったら…急ブレーキがかかったら…と言った具合に、皆さんは場面を「イメージ」したと思います。このイメージが浮かぶということこそが、文を読めているということです。(念のため、正解は②になります。)

2. その文の内容を、自分の言葉で具体化できる。

具体とは、「(=姿や形)をえている」という意味です。これに関しても、問題に挑戦していただきましょう。

「彼女は歌手の卵だ」という文が具体的にどういう意味か説明しなさい。

ポイントは、歌手の卵という比喩表現を、具体的に説明できるかという点です。模範解答は、「彼女は、一人前の歌手になるための準備をしている身だ」となります。このように、自分の言葉で具体的にできるということも、文を読めているということになります。

3. その文の内容を、自分の言葉で抽象化できる。

抽象とは、「出したものをる」という意味です。これに関しても、問題に挑戦していただきましょう。今回は、少しだけ難しいですよ。

「人参には、ビタミンやカロテンなどの成分が豊富に含まれている」という文を、10字以内で要約しなさい。

抽象化は、人の体で喩えるならば、「骨だけ」にするイメージです。この文であれば、ビタミンやカロテンを「栄養」と書き換えて、「人参は栄養豊富だ」とすると良いでしょう。このように、自分の言葉で抽象的に簡潔にまとめることができた場合、文を読めているということになります。

いかがでしたでしょうか。「読む」ということがどういうことなのか、問題を通して理解していただけましたでしょうか。言われてみれば当たり前かもしれませんが、「読む」という当たり前のことを学ぶ機会は決して多くありません。国語を苦手とするお子様がいる方は、本記事をきっかけに国語について考えていただければ幸いです。

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